【ブログ限定コラム】ピークエンドと自信の話

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こんにちは。みつしろです。
 
 
僕のところにはたまにこういうメールが届きます。
 
「みつしろさんはトレードやビジネスで成功されてすごいですね。
やっぱりみつしろさんは運と才能が備わっているんですね。
 
自分には到底できるとは思えません。」
 
 
 
で、いきなりですが、
 
「ピークエンドの法則」というものを聞いた
ことがあるでしょうか?
 
 
これは経済学者のダニエル・カーネマンが提唱した考え方で、
 
簡単に言うとヒトは物事を「ピーク」と「最後」でしか判断しない
傾向があるというものです。
 
 
例えば、
 
去年1年はあなたにとって幸せな1年でしたか?
と聞かれた時に、
 
 
去年1年間の中でのピーク(絶頂)が嬉かったり楽しかったりして、
さらには1年の最後(エンド)が良い印象として残っていれば、
 
仮に去年の前半にどれだけ嫌なことがあったとしても
「去年は幸せな1年だった」とヒトは思うわけです。
 
 
逆に、前半がどれだけ調子よくても、
一番のピークや最後が嫌な思い出で終わったとすれば、
 
その1年は幸せではなかったという判断を下します。
 
 
 
また例えば、
 
1.中盤までは非常に面白いが最後グダグタで終わる映画
2.前半はつまらないけど中盤からラストにかけて一気に盛り上がる映
 
があった場合、
 
どちらの方が「面白い映画」として記憶に残ると思いますか?
 
 
正解は「2」ですね。
 
 
要はピークとエンディングさえ盛り上がればそれ以外が
多少つまらなくても関係ないのです。
 
 
そしてもっと重要なことは、
ヒトはこの「ピーク」と「エンド」に最も反応するということです。
 
 
基本的によく聞く
 
「サクセスストーリー」や
「スピリチャル」や
「自己啓発」的なものは、
 
多くの人が一番反応する「ピーク」と「エンド」だけを引っ張りだして
強調しているものが多いのですが、
 
 
例えば引き寄せの法則とかはまさに典型的で、
 
「願えば叶う」とか、
「ほしいと思えば手に入る」とか、
「紙に書けば実現する」とか、
「ツイてると言えば運がよくなる」とか、
 
それは聞いた人が「すげーーーー!」と思うようにピークとエンド部分
を抽出しているだけに過ぎません。
 
 
紙に書く(ピーク)⇒叶う(エンド)という感じで。
 
 
 
基本的に世の中のほとんどのものは
ピークエンドにもとづいていると言えるわけですが、
 
なぜかと言えばそのほうが「受けがいい」からですね。
 
 
成功するためには膨大な量の努力が必要だ!
とか言うよりも、
 
「貧乏のどん底から一気に億万長者になりました!」
「パソコンも使えない平凡な主婦がFXでウッハウハ!」
 

みたいなにピークとエンドだけ強調したカンタンなストーリーのほうが単純に

最大公約数(大衆)に響くのです。

 
 
で、そういうピークエンド的なものばっかりに触れてる
とどうなるかというと、
 
多くの人は自分に自信が持てなくなってくるのです。
 
 
「あの人は成功してるのに自分はなんでこんなダメなんだ」
「あの人はきっと才能と運があったから成功できたんだ」
 
みたいに。
 
 
でもよくよく考えてみてほしいのですが、
 
実際には「自分がほしい!」と思うものが引き寄せられる
までにはそれなりの「プロセス」が存在してるはずですよね?
 
 
 
そもそも引き寄せの法則というのは、
 
「正しく焦点を定めることによって特定の情報を
普段よりもキャッチしやすい状態を作る」
 
ことだと僕は解釈してまして、
 
 
要は「正しく焦点を定める」ことが非常に重要だったりします。
 
 
 
例えば、
 
「1億円を稼ぐにはどうすればいいか?」
 
 
これはピークエンド的な問いの立て方で、
正しい焦点の定め方とはいえません。
 
なぜならこの問いは抽象的過ぎて
現実の行動に転化することが不可能だからです。
 
 
実際1億稼ぐ方法なんていくらでもあるわけですし、

「1億を稼ぐ」ということ自体はただ結果の部分を誇張しているに過ぎず、

それ自体は行動指針や方法論を与えてくれるものではありません。

 
また例えば「トレードで勝てるようになりたい!」
と願ったとします。
 
で、それを紙に書いて
あとはひたすらぼけーっと毎日を過ごしていれば果たして叶うのでしょうか?
 
まあまず無理でしょう。
 
 
これは毎日食っちゃ寝してる人が
オリンピックで「金メダルを取りたい!」と紙に書くだけで叶いますよ、
 
と言ってるのと同じレベルです。
 
 
そうではなく、
そのプロセス部分を掘って分解していく必要があるのです。
 
 
トレードで勝つにはどうすればいいか?
 
環境認識を出来るようにする
 
どうすれば環境認識が出来るようになるか
 
相場の特定のパターンを覚える
 
どうすれば特定のパターンを覚えられるか
 
過去の相場を検証して一定のパターンをカテゴライズしていく
 
実際の相場でそのパターンを探し、
エントリーする練習をしていく
 
 
これは一例ですが、
自分が叶えたいことを叶えるためには、
「どうすればそれを叶えられるか」というプロセス部分を現実世界に降ろして
「焦点」を定め「実行」していく必要があるわけです。
 
そうすればその「叶えたい何か」を叶えるために
必要な方法や情報を脳が「勝手」に拾ってくれるようになるわけですね。
 
 
で、”結果的”に望むものが「引き寄せられる」というのが
引き寄せの法則のカラクリなのです。
 
 
しかし何気に多くの人は、
例えばエントリーポイントの絞込が上手くて
利益率100%とかたたき出しているトレーダーを見ると、
 
今現在の結果(ピークエンド)の部分だけ注目してそれを
才能や天性のおかげだと自己納得しようとしますし、
 
そういう理由を勝手につけたほうが気持ちは楽なのですが、
 
 
それでは現実は動かないのです。
 
 
いわゆるスピリチャルや自己啓発系でも、
ピークとエンドだけがクローズアップされて、
 
いわゆるこのプロセス部分が見事にすっ飛ばされてるのです。
 
 
でも現実は、
その特定のチャートパターンを見つけるための練習(プロセス)
を誰よりもやってきて、
 
その特定のパターンを見つけるための「視点の焦点化」が
ちゃんとできているからこそ、
 
一見無秩序に見えるチャートから特定の勝ちパターンを
見つけ出すことができるわけです。
 
 
ちなみにこんなキャッチフレーズをみたことありませんか?
 
 
「元金5万円を1千万にしたスーパートレーダー!」
 
これだけ見ると「すげー!天才じゃん!」となりますが、
 
現実問題5万がいきなり一千万になったわけでは当然ながらありません。
 
 
それは「ピーク」の部分であって、
本当は5万を一千万にするまでにそれなりの
努力や苦労があったはずです。
 
例えば資金を何回も飛ばしてみたり、
勝っては負けを繰り返してみたり、
 
もしかしたら10年間ひたすら勝てなくて、
11年目でようやく5万を一千万まで増やしたのかもしれません。
 
 
じゃあなんでそのプロセス部分を「あえて」書かないのかというと、
それを書くと途端に受けが悪くなるからです。
 
ヒトというのは「てっとり早く成功する方法」に飛びつく
傾向があるわけで、
 
当然メッセージを出す側もそれを知っていますし、
その部分を一番強調する構造になっていると言えます。
 
 
いわゆる4マスと呼ばれる
 
テレビ、
新聞、
ラジオ、
雑誌
 
にも同じことが言えます。
 
 
 
結局のところピークとエンドの部分だけに目を向けていては、
いつまでも物事を正しく認識することは出来ません。
 
 
成功する!と願えば成功する。
 
ではなく、
 
成功しよう!と思ってから実際に現実の世界で
「具体的に何を実行していくのか」というステップと、
 
「焦点をいかに定めるか」
 
が結局のところ重要なのです。
 
 
「自信」というのも同じです。
 
今現在成功している人を観て、
 
「あの人は特別な才能があるからだ」
「あの人は運が良かったんだ」
「自分にはそんな力も運もない」
 
こんなことを思う必要は一切ありません。
 
 
なぜならピークの部分だけを取り出してそこにスポットライトを
当てればどんな人でも「神レベル」に見えるからです。
 
さらにタチが悪いのは、
世の中で目にするサクセスストーリーや偉人伝など、
 
ピークエンドで語られているものがそこら中に溢れているわけで、
それを見て「自信もて!」というのもまあそもそも論的にだいぶ無理があるんですよ。
 
 
でも実際は、
仮に圧倒的な才能と運を持ってるように見える人も、
 
そこに至るまでにそれ相応の時間と労力とお金を
つぎ込んでいることを忘れてはいけません。
 
「ピーク」ではなく、
「ピークに至るまでのプロセス」を見ましょう。
 
水面で一見優雅に泳いでいる白鳥も、
水の下では頑張ってバタ足してるもんです。
 
 
そして最後になりますが、
 
自信や運というものは、
 
そのプロセス、つまり目的地にたどり着くまでの過程における一つ一つの
課題を地道にクリアしていく中で芽生えていくものであって、
 
最初っから備わっているものではありません。
 
 
 
「どうせ自分なんか」と思い悩む時間があるのなら、
一つでもいいから目の前のやるべきことを「今」、黙々と実行
していきましょう。
 
 
その積み重ねが多ければ多いほど、

それが揺るぎない自信へと転化されていくのです。

 

 

 

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