【ブログ限定コラム】ついにECBの量的緩和くるか?

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こんにちは。みつしろです。

今朝モーサテ(モーニングサテライト)を見ていたら
興味深いニュースをやっていました。

ECBのドラギ総裁が「量的緩和」を示唆したのです。


http://www.sankei.com/economy/news/141003/ecn1410030009-n1.html
「金利を据え置きで量 的緩和を示唆 ECB総裁」

正直な感想としては、
まあ他にもう打つ手はないよね・・・」って感じです。

とりあえず話をわかりやすくするために、
欧州の現状を説明しておきますね。

とりあえず今欧州ではデフレが進行しています。

日本は90年代のバブル崩壊以降ずーっとデフレが進んできました

が、
日本の後を追う形で今欧州のデフレが進んでいるわけです。

理由は色々あるのですが、

・まず2008年のリーマン・
ショックの影響を今でも引きずっていること
ギリシャなどの財政赤字が酷くて失業率がめちゃめちゃ高い国を抱えていること
・ECBそのものの構造的問題

この3つがデカイかなと。

ドイツやフランスなどEUを引っ張っている経済大国でさえ
デフレと失業率の高さに苦しんでいるのが現状です。

そこでECBは今年の6月にマイナス金利を導入しました。

ユーロ圏各国の銀行がECB内に持っている当座預金におカネを置いておくと
金利を取るぞ!というパワープレイに出ました。

おカネを当座預金に置いておけないとなれば、
それが民間の企業や個人に貸し出されて景気が良くなるだろう
という思惑があったわけですが、

結果的にどうなったか。

各銀行は当座預金のおカネを貸し出すのではなく、
国債の購入にまわしたわけです。

で、見事ドイツ国債の利回りは1%を割りました。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/cbuilder?T=jp09_&ticker1=GDBR10%3AIND

ほぼ日本と同じパターンを辿ってます。

これはどういうことかというと、

ゼロ金利政策でさらにマイナス金利を導入しても
世の中におカネが流れないということは、

そもそも今欧州には「需要」そのものがないことを意味するのです。

おカネを借りて家を買ったり、
設備投資して増産したり、

そういう需要がないわけです。

この辺は完全に日本と同じ構造ですね。

ということで、ECBとしてはもう「最終手段」である量的緩和を
やるしかないところまで追い詰められているとも言えます。

とはいえじゃ量的緩和やれば景気が回復するのかというと、
たぶんしないでしょう。

なぜなら先ほども書いたように「需要」そのものがないからです。

なのでECBが国債を買い取ってマネーを供給したとしても、
借り手がいないのでそのおカネが結局また国債に流れ、アメリカのQEみたいに

株式市場や先物市場に流れ込む可能性が今のところ高いです。

そしてさらに問題なのは、
EUでは中央銀行であるECBが「完全に独立」してしまっているため、

各国が財政出動のために国債を発行して財源を確保する
という普通の国ならアタリマエのことを出来ないわけです。

なので景気回復のために必要な「需要」を作り出せません。

例えば日本の場合、

まず量的緩和で日銀が銀行などから国債を買い取って、
当座預金におカネを振り込みます。

次に政府が国債を発行し、
日銀や銀行に買ってもらうことで財政出動のための財源を確保します。

その財源で公共投資などのケインズ的政策で需要を
生み出せるのです。

つまり政府と日銀が一緒に動けるわけですが、

EUではそれができません。

仮に量的緩和でマネーの量を増やしたとしても、
それをECBがどのように各国に配分するのか、どの国の
国債を優先的に買うのか、

ここが非常に曖昧なのです。

さらにドイツはEU諸国にガンガン輸出して税収を増やし、
ある意味他の国を踏み台にして財政均衡を達成したので、

尚更今になって国債発行して赤字を増やすなんて死んでも嫌でしょう。

ということで問題は山積みですが、

もし仮に量的緩和が実施された場合、

欧州株にマネーが流れて上昇(アメリカと同じパターン)
アメリカがQE終了するのでユーロ安加速
国債利回りのさらなる低下

の鉄板パターンが来るんではないかとみてます。

と考えた時に、
ユーロドルは今上値が非常に重い=戻しは絶好の売り場

になります 笑

ECBが量的緩和をやるかどうかはFXの動向にもめちゃめちゃ関係してるので、
引き続き追っていきましょう。

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