【ブログ限定コラム】BNPパリバに対する巨額制裁が意味するもの①

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こんにちは。みつしろです。
 
 
6月30日にニュースでちょこっとだけ報道されていたので
ご存知かもしれませんが、
 
アメリカ司法省はBNPパリバに対して、
史上最高額と言われる90億ドルの罰金を課しました。
 
 
これは「アメリカの司法省」が課した「罰金」ですから、
要するにBNPパリバがアメリカの庭で何かをやらかしたということなのですが、
 
 
じゃあ一体何をやったのか?
 
 
簡潔に書くと、
 
アメリカが経済制裁しているイラン、スーダンやキューバなどの
国に対してBNPパリバがドルの資金調達を援助したという罪です
 
 
 
で、ここから実は色々なことが読み取れるわけですが、
その前にドルの国際決済について少し前提共有しておくと、
 
そもそも論として「米ドル」は未だ世界の基軸通貨であり、
その米ドルは世界のどこであろうが決済をする場合必ずアメリカ
を経由します。必ずです。
 
 
なぜならそういう国際的な決まりがあるからです。
 
 
こうやってアメリカは世界のドルの決済を把握しているのです。
 
 
例えば僕が日本の銀行でドル建ての口座を開設して、
そこに100ドル預金したとしましょう。
 
その100ドルというのは実は日本の銀行口座にはありません。
 
 
実はアメリカにあります。
もっと言うとアメリカのニューヨークにあります。
さらに言うとアメリカのニューヨークのコルレス銀行内のコルレス口座にあります。
 
 
ちなみにコルレス銀行というのは、
国際決済する時に使う中継地点の銀行のことを言うのですが、
 
具体的にはシティバンクやJPモルガンがアメリカにおいては
その役割を担っていて、
 
円であれば三菱東京UFJがコルレス銀行になります。
 
 
 
ということは、
アメリカが制裁している(していた)イランの米ドル資産も、
北朝鮮やキューバ、スーダンの米ドル資産もすべて米国内
(ニューヨーク)にあることになるので、
 
アメリカのさじ加減ひとつでカンタンに資金を凍結できるわけですね。
 
 
基軸通貨を持ているということは、
借金を一気に棒引きできて、さらにお札を無限に刷れる
というメリットもあるのですが、
 
それ以外に米ドル資産を持っている国であればそれがどこであろう
アメリカの裁量で経済制裁することができる強みにも繋がるのです
 
 
もちろん世界の通貨決済量ナンバーワンは米ドルですから、
そのドルを凍結することができるというのは即ちアメリカの
覇権力の後ろ盾にもなるわけです。
 
逆に言えば今現在ドルが基軸通貨だからこそ、
アメリカの経済制裁や資金凍結には大きな効力があるとも言えます
 
 
 
今秋のBNPパリバのケースでも、
アメリカが制裁しているスーダン、イラン、キューバに
対する資金調達は実はアメリカ側にはもろバレだったわけで、
 
アメリカの法律に違反したということで、
今回の巨額罰金に繋がったと、まあそういう流れなわけですが、
 
 
そもそもBNPパリバがドルではなくユーロや元
で資金調達していた場合、
 
アメリカから制裁されることはありませんでした。
というか、ドル以外の決済だとアメリカは手を出せません。
 
 
 
で、今回のBNPパリバ制裁は見せしめみたいなもので、
 
「おれらの方針に逆らったら痛い目みるよ」ということを
アメリカは暗に言ってるわけですよ。
 
 
とすると、
米ドルを大量に保有している中国やロシア、また
過去最高額の罰金を払わされ、さらに1年間の米ドル決済を
禁じられたBNPパリバと親玉のフランスはどうすると思いますか
 
まあいろいろな見方はできると思いますが、
 
 
今回のケースに限って言えば、
 
「もう米ドルを積極的に国際決済で使うメリットがあまりないし、
変なことしてアメリカに制裁されたくないからドル使うのやめようぜ」的な
動きが強まっていく可能性は十分あると思ってます。
 
 
実際にそういう動きが今顕在化してきているのですが、

詳細はまたパート2で書きたいと思います。

 

 パート②はこちらから

 

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